契約書は婚姻届

21.心躍る未来

 後輩二人に護衛されながら仕事場に到着した響子は、普段一緒に仕事をする社員達の視線がいつもと違う事にすぐ気付いた。
 いつもと変わらず、挨拶をしてくれる人達も居たが、皆どこか不自然さを感じてしまう。明らかにあのメールが原因だと、理解したくなくとも理解してしまう状況に、気分は更に落ち込んだ。
 噂とは本当に恐ろしい。ほんの些細な事をきっかけに、人間はこんなにもあっさり態度を変えてしまう生き物なのだと実感させられる。
「水越君、少し話があるんだ。いいか?」
 後輩二人から離れ、そのまま自分のデスクに鞄を置き仕事の準備を始めた矢先、不意に自分の名を呼ぶ声が聞こえた。響子が振り返った先に居たのは、総務部の部長だ。
 いつも部下である自分達に対し、気さくに話し掛けてくれる部長が、今は妙に改まった態度で自分を見つめている。
 少し話がある。その言葉の意味を理解出来ない程響子も馬鹿ではない。ついにこの時が来たのだと、彼女は無意識に己の下唇を噛んだ。
「部長、その話って長くなります? どうしても水越さんに頼みたい急ぎの仕事があるんですけど」
 その時、西村が突然響子達の間に割り込み、彼女に仕事を頼みたいと言い出した。
「西村さん」
 響子は、突如現れた先輩の姿に、思わず彼女の名前を呟く。
「西村君、悪いが後にしてくれないか。君も今の状況は理解しているだろう?」
 部長が自分の頼みに首を横に振った姿を見た瞬間、西村の眉間に皺が寄る。
 響子に頼みたい仕事があると言い、この場から彼女を逃がす作戦が失敗してしまったからだ。
 志保から、問題になった画像に写る女性が響子ではと噂になっている事は教えてもらっていたが、まさかその中に自分の上司まで入っていたなんて。
 どうやら一連の騒動は、響子の予想を超え大事になっている様だ。
 朝一番で志保から状況を知らせる電話がかかってきた。会社に到着すると後輩達が迎えに来てくれた。そして今、西村が自分をこの場から助け出そうとしてくれた。
 事情を知っている皆が自分を守ろうとしてくれている。そんな彼女達の気持ちがとても嬉しく思えた。
 ふと響子が周りに目を向ければ、心配そうな表情を浮かべ、落ち着かない様子で響子達を見つめる志保、山口、根本の姿が目に入る。
 他の社員も響子達の様子が気になるのか、始業時間が迫っているにも関わらず仕事を始める様子はまったく無い。
 今まで必死に隠し続けてきた。しかし、ほんの些細な出来事をきっかけに、その秘密に繋がる糸が今、綻び始めている。
 このまま皆に守られるままではいけない。元は自分が口にしたわがままが原因だ。
 もしかしたら今回の一件は、いつまでも気持ちが定まらない自分へ、神様がくれた最後のチャンスなのかもしれない。
「……部長、これを」
 響子は、デスクの上に置いた鞄を開け、ある物を取り出すと、それをそっと部長の目の前に差し出した。
「退職願……水越君、何もそこまで」
 彼女が部長へ差し出したのは、退職願と書かれた封筒だった。
 一度完成させても、しばらく経てば文章が気になり、何度書き直しただろう。
 夫に見つからないように、いつも自分の鞄の中に仕舞っていたそれを、ついに使う時がきたのだと彼女は思った。
 大樹との秘密を守り通す事に自信が無かったわけでは無い。しかし、心のどこかにあった不安が、退職届という物として実際に形となり、それを持ち歩くという行為を彼女にさせた。
「あんな悪戯メール、気にする事無いさ! 君がそんな事をしないとわかっているよ」
 突然すぎる退職の申し出に驚き、部長は慌てた様子で口を開く。どうやら彼は、今回の一件を誰かの悪戯が生み出した出鱈目な出来事だと思っているらしい。
 響子は、自分の行動に困惑する部長の姿にしばし苦笑した後、一度大きく深呼吸をし、改めて目の前に居る人物を真っ直ぐ見つめた。
「部長、実は……私今まで皆さんに隠していた事があるんです」
「えっ?」
 突然真剣な表情を浮かべたかと思えば、実は隠し事があると言う響子の様子に、部長は事態を飲み込めず首を傾げる。
「私……私、副社長の浅生大樹さんと結婚してるんですっ! 今まで黙っていて、すみませんでした!」
 そんな彼の理解速度を無視とばかりに、響子は今まで社員達に黙り続けていた事を声に出し、謝罪の言葉と共に勢いよく頭を下げた。
「……け、こ……結婚!?」
 しばし静寂がその場を包んだかと思えば、次々と驚きの声が上がり、部署内は軽く混乱し始める。
 ついに、ついにやった。大樹の力を頼らず、自分の言葉ではっきりと言えた。自分自身の力で目的をやり遂げた嬉しさに浸っているせいか、動揺した社員達の声は響子の耳に届いていない。
「キャー、響子ちゃんステキー!」
 その時、ざわざわと騒がしくなった部署内に突如響いた男性の裏声に、全員の意識と視線が廊下に面した扉へ向けられた。
「……え? えぇ!?」
 それは達成感に浸っていた響子も例外では無く、妙に聞き慣れた声で自分の名前を呼ばれた事に気付き、彼女も声が聞こえた出入り口付近へ視線を向けた。そして、そこに居る人物の姿を目にし、驚きのあまり声を上げてしまう。
 総務部全員の視線の先に居るのは、へらりと笑みを浮かべ、ヤッホーと暢気に手を振るこの会社の副社長浅生大樹本人だ。
 ただでさえ響子の爆弾発言に驚いている最中なのに、それに加え突然の副社長登場という予想外過ぎる出来事に、この場に居る社員のほとんどは現状を把握出来ていないだろう。
 呆然とする皆の視線を受けながら、大樹はゆっくりと室内へ入り、響子と総務部部長のもとへ近付く。
「な、な……」
 何故大樹がここに居るのだ。そう問い詰めたい所だが、驚きのあまり響子の口は上手く動きそうに無い。
『キャー、響子ちゃんステキー!』
 しかも先程の妙な裏声は何だったのだろう。褒められたのかどうかすら怪しく思える夫の言葉に、彼女の中で次々と疑問が湧きあがる。
「ふ、副社長、何故こちらにっ」
 この場に居る誰もが持つ疑問を、大樹のすぐ傍に居る部長が口に出し問いかけた。
「ん? 何故って言われても……自分の奥さんの所に来ちゃダメなの?」
 こてん、と効果音がつきそうな程、部長の問いに不思議そうな顔で大樹は首を傾げる。
 副社長本人の口から飛び出した『自分の奥さん』発言は、事情を知らない者達に更なる衝撃を与えた。
「彼女もさっき言ってたけど、俺達結婚してるんだよね」
 そして、まるで響子の発言を印象付けるように、自らも結婚について語り出す大樹。彼は喋りながら、ゆっくりと妻である響子の背後へと移動した。
「その証拠に……この結婚指輪が目に入らぬかっ!」
「うわっ! ……っ」
 そして次の瞬間、大樹は妻の背後から前方へ両手を回し、彼女の首にかけられたネックレスチェーンを掴み、一気に引き上げる。
 突然の事に驚き、ピクリと肩を震わせ反射的に声を発した響子だが、目の前に現れた二つの物を目にし、彼女は目を大きく見開き言葉を詰まらせた。
 大樹がネックレスチェーンを掴み引き上げた事でブラウスの中から飛び出した自身の結婚指輪。
 そして、チェーンを掴む彼の左手薬指に光る結婚指輪。
『お守りだと思って、持って行って』
 チェーンの先にぶら下がる指輪は、今朝夫からお守り代わりに身につけるよう手渡された物だ。
 そして、そのチェーンを掴む彼の指に光る指輪。
 仕事の時、互いに一度も身につけていなかった指輪が今目の前に二つ共揃っている。
 響子は、己の中から湧き上がる感動にも似た不思議な感情に目頭を熱くした。
 泣くのを我慢しながら、それでも目を潤ませる妻の顔を覗きこみ、大樹は苦笑いを浮かべる。
 そんな愛らしい妻の姿に我慢出来ず、彼はその柔らかな頬へ唇を寄せ口付けた。



 今日中に作成しなければならない書類を作り上げ、間違いが無いかをチェックした響子は、そのデータをパソコン内に保存し、ようやく仕事が終わったと一息吐いた。
 そして、今日一日、自分は十分な仕事が出来たのだろうかと、朝から今までの事を頭の中で振り返る。
 出社直後、部長に話があると言われ、総務部皆の前で大樹と結婚している事実を明かした。
 その達成感に浸っていると、突然夫である大樹が乱入し、自らも結婚の事実を認め、二人の結婚指輪を証拠として皆に見せたり、響子の頬へキスをしたりとやりたい放題だった。
 昼食時間は昼食時間で、志保や西村達と共に女子社員の質問攻撃から逃げ続け、持ってきた弁当を半分しか食べた記憶が無い。
 そして午後の仕事を始めてすぐ、部長から社長室へ行くよう言われ、何事かと不安になりながら指定された社長室へ向かった。
 そこで響子を待っていたのは、社長である誠司、副社長である大樹、そして昨日夫に告白していた及川という女性社員と彼女の上司だった。
『今回の騒動は、すべて及川さんがやった事らしい』
 誠司の説明によれば、問題となったメールを一番最初に送ったのも、メールに添付された写真画像を撮影したのも、すべて及川の仕業だという事だ。
 彼女は昨日、自分が振られた事を受け入れられず、あの後大樹に再度アタックしようとすぐ引き返してきたらしい。
 そこで抱き合っている大樹と響子の姿を目にし、嫌がらせ目的で写真を撮影しメールを広めたそうだ。
 自分に自信を持っていたせいで、自分よりも劣るであろう響子を選んだ大樹と、選ばれた響子への憎悪が、彼女の心にうまれてしまったのだろう。
 及川と彼女の上司、二人から何度も頭を下げられ、逆に対応に困ってしまう場面もあった。
 その後、響子は一人先に社長室を出て仕事へ戻るよう言われ、その場に居る皆に一礼し社長室を後にした。
 それから残った四人で話し合いが行われ、及川は今回騒動を起こした罰として、三ヶ月間の減給処分を受ける事となった。
 しかし騒動の犯人として及川の名が社内に広まり、三ヶ月を待たずして彼女が自ら退職を願い出たのはもう少し先の話である。
 社長室から戻ってくれば、志保達から心配したとしばらく離してもらえず、仕事を再開するのが遅れてしまった。
 思い返してみれば、なんとも騒がしい一日だったと苦笑しか出てこない。肉体的な疲労はあまり感じていないが、精神的疲労は、この会社に勤め始めてから一番酷いかもしれない。
「…………」
 今日一日の事を思い出しながら、彼女は今までキーボードを打っていた自身の左手に視線を向ける。そして薬指に輝くものを目にすれば、自然と頬が緩むのが自分でもわかった。
 休日にしか身につけられなかった結婚指輪を、平日の仕事場に居る今、自分は堂々と身につけている。他から見れば些細な事かもしれないが、響子はそれがとても嬉しかった。
 朝の騒動で中途半端になってしまった退職に関する話も、話し合いの結果、十一月いっぱいで退職するという事で落ち着いた。残り期間は一ヶ月も無いが、その間に仕事の引き継ぎを行う事になっている。
「響子ー、何に浸ってるのかさっぱりわかんないけどさ、さっさとこの大型犬連れて帰ってよ。飼い主アンタなんだから」
「伊藤ちゃんっ! そ、そんな事言ったら怒られるから!」
 背後から聞こえた声で我に返った響子は、慌てて自身が座っている椅子を動かし、体の向きを変える。
 そこに居たのは、片手を腰にあて、もう片方の手で自分の隣に居る人物を指差し、呆れた様子で友人を睨むように見つめる志保。そんな志保の発言に驚きを隠せず、アタフタと慌てる同僚の男性社員。
 そして、隣に立つ志保に指差された状態にも関わらず、コート姿で鞄を持ち、完璧な帰り支度をした状態で満面の笑みを浮かべ、妻の背後に佇む大樹。
「大樹さん、あの……仕事、は?」
「終わったから迎えに来たよ。一緒に帰ろう、響子ちゃん」
 友人が発した大型犬発言の効果もあってか、今目の前に居る男の頭上には耳、背後にははち切れんばかりに大きく左右に揺れる尻尾が見える気がし、響子は思わず溜息を吐いた。
「一緒に帰るって、別々の車で来てるんですから無理ですよ」
「大丈夫、俺今日タクシーで来たから。響子ちゃんの車で帰ろう」
 大樹は、飼い主の仕事が終わるのを待つ忠犬の如く、しばしその場に佇んでいたのだろう。
 終業時間は過ぎているのに、この場に居る社員達のほとんどが、大樹の存在とこれからの展開を気にし、未だに居残っている。
 零れんばかりの笑顔で自分を見つめる夫の姿に、響子は再び溜息を吐きたくなった。
 今朝の騒動で、きっと社員のほとんどは自分と大樹の夫婦関係を知っているだろう。
 退職するまで残り一ヶ月弱、今までのように秘密を守るために注意を払わなくていいのは嬉しいが、家に居る時と同じようなテンションで目の前に居る男が接してくるのかと思うと頭が痛くなりそうだ。
「……皆さん、今日は、本当にお騒がせして申し訳ありませんでした。それと、今まで嘘をついていてすみません。残り僅かですが、最後まで精一杯仕事をしたいと思いますので、よろしくお願いします」
 帰り支度を済ませ、椅子から立ち上がった響子は、改めて総務部の皆に頭を下げる。大樹もそれに倣い、すみませんでした、と声を発し頭を下げた。



 駐車場への道のりを夫婦揃って歩き、響子は、先程から喋り続ける大樹の言葉に返事を返していた。
「本当は毎日がいいけど……会社に居る間、時々で我慢するから一緒にお昼食べようね」
「そうですね」
「明日から、一緒に会社行こうね。あ、運転は俺がするから大丈夫だよ」
「運転くらい私もしますよ」
「会議で疲れた時、響子ちゃんの所に行ってもいい? ギューって元気補充したい」
「何の為に会社に来てると思ってるんですか……」
 話題の尽きない夫のトークに、時に頷き、時に首を横に振りながら足を進める。時折すれ違う社員達の視線を感じるが、その多さに気にする事自体面倒とさえ思えてきた。
「……はあ」
 駐車場に辿りついた響子の口から、ようやく今日一日が終わったと溜息が零れた。
「……響子ちゃん、怒ってる?」
「へっ?」
 エンジンをかけようと車のキーを探していた時、不意に隣から大樹の不安げな声が聞こえ、思わずそちらへ顔を向ける。
 するとそこには、まるで親に叱られた子供のように、しょんぼりと眉を下げ、自分を見つめる夫の姿があった。
「だって、響子ちゃんさっきからあんまり喋ってくれないし。俺が勝手に総務に行った事、怒ってるのかなって」
 そう言って、大樹は更に落ち込んだ様子を見せる。どうやら、今日一日の自分の行動で、妻を困らせているのではないかと反省している様だ。
『キャー、響子ちゃんステキー!』
『終わったから迎えに来たよ。一緒に帰ろう、響子ちゃん』
「確かに……突然すぎて吃驚しました」
 今日一日、総務部での夫の行動を思い出しながら、響子はゆっくりと口を開き、正直な思いを告げる。そんな妻の言葉に、大樹は肩を落とし今までで一番の落ち込みを見せる。
「でも……凄く、嬉しかったです。大樹さんが来てくれて、心強かったです。皆の前で、ちゃんと結婚してる事を言ってくれて……嬉しかったです」
「……響子ちゃん」
 頬を染めながら、嬉しそうに笑みを浮かべる響子。
 その姿に我慢出来ず、大樹は妻の細い身体を力いっぱい抱きしめる。抱きしめられた響子は、抵抗する事は無く、そのまま夫の腕の中へ身体を預けた。
 そして二人は、周りに人気は無いものの、自分達が今居る場所が会社の駐車場だという事を忘れ、幾度となく口付けを交わす。
「……っ、ん……は……」
「ん、は……ん、ぁ」
 あまり響子が喋らず怒っているのではないかと、大樹は落ち込んでいた。しかし、それは彼の杞憂にすぎなかった。
 響子は、今日一日夫の言動に振り回された事を怒っていたのではない。必死に我慢していたのだ。
 これまで隠し続けてきた秘密が無くなり、退職するまでの間、堂々と大樹を夫として皆に自慢できる。
 ここへ来るまで大樹が一人はしゃいでいた内容にも、本当はもっと素直に反応したかった。しかし、ここは会社なのだと自分に言い聞かせ、必死に理性でその感情を抑えつけていた。
「ここは会社なんですよ。仕事をする場所なんですから……大樹さん、仕事とプライベートはわけたいって言ってましたし。その、家で、なら……えっと」
 夫の腕の中で、ボソボソと言葉を発する響子だが、キスの余韻が残っているためか、上手く頭が働かない。
 他の社員達が一生懸命働いている職場で、自分達だけイチャつけるわけがない。副社長なのだから、夫もその辺は十分すぎる程理解しているはずだ。
 それに、会社の中でいつも通りの大樹を相手にしていたら、自分の方が色んな意味で不利になるかもしれない。
 とにかく彼には、節度ある態度を心掛けて欲しい。夫に理解して欲しい気持ちは、今ので伝わっただろうか。
「……えっ?」
 その時、大樹が妙に静かにしている事に気付き、どうしたのかと思った響子は、ゆっくりと顔を上げ、自分が目にした光景に思わず驚きの声を発した。
 何故か瞳をキラキラと輝かせ、夫が自分を見つめている気がする。
「大樹、さん……あの、何か?」
 彼が瞳を輝かせる理由がわからず、どうしたのかと首を傾げ、彼女は問いかけた。
「これか……これが噂のツンデレってやつなんだね!」
「は? ツンデレ?」
 響子は、突然夫の口から飛び出した単語を耳にし、更に首を傾げる事になった。
 世間の事にはかなり疎い大樹が、ツンデレなんて言葉を知っている訳がない。それなら、今の発言は一体どういう事だろうか。
「うん! この前、瑞樹に教えてもらった」
「みずき君……なんて事教えてるの」
 一人感動する夫を見つめ、大きく溜息を吐く響子。
 どうやら大樹は、弟からとんでもない言葉を教えられたらしい。後で義弟に、変な事を教えるなと釘をさしておいた方がいいだろうか。
 しかし、こんな夫を見ても、可愛いと思えてしまうのだから、自分も相当おかしいのだろう。
「大樹さん」
「ん?」
「大好きですよ」
「俺も大好きだよ、響子ちゃん」
 互いの名を呼び、互いに想いを伝え合う。たったそれだけの事だが、そんな当たり前の事が二人を笑顔にする方法なのだ。
 これからの未来を想い、互いを想い続けていれば、きっとこの先もずっと笑っていられる。
 響子は、これから始まるであろう今まで以上に楽しさが詰まった夫婦生活に、心躍らせるのだった。
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